思いのたけブログ

平成29年6月定例会で一般質問させていただきました。

平成29年6月定例会で一般質問させていただきました。

表題は、「本県における特別支援教育の推進についてです。

内容は以下の通りです。

教育長からは、特別支援教育を受けたいというニーズの増加に合わせて、特別支援教育の充実などの教育課題に的確に対応できるよう本庁組織の見直しについて検討を進めていくこととしているとの前向きなご答弁をいただくことができました。

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自由民主党県議団の岳康宏です。

通告に従って、本県における特別支援教育の推進について一般質問させていただきます。

本県では、新たな「福岡県総合計画」が平成29年3月に策定され、同計画の教育分野については、県が推し進める教育行政の指針として、本県の「教育振興基本計画」として位置づけられています。

この「教育振興基本計画」では、「特別支援教育を推進するための中長期的計画を策定し着実に取り組みを進めていく」ことが掲げられており、これを受け、具体的な施策の推進のための指針となる「福岡県特別支援教育推進プラン」が平成29年4月に策定されました。

そこで、まず初めに、特別支援学校等に在籍する児童生徒数の増加の要因についてお尋ねします。

本県では、児童生徒数が減少する中、特別支援学校に在籍する子どもが過去10年間で約1.34倍、特別支援学級でも約2.84倍と、著しく増加しています。

そこで、まず、教育長にお尋ねします。

この特別支援教育を志向する児童生徒数の増加の要因をどのように分析なさっていますか、また、今後その対策としてどのような取り組みを通して対応なさるおつもりかお教えください。

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次に、高等学校における通級による指導の制度化への対応についてお尋ねします。

障害のある生徒一人一人の教育ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行うためには、特別支援学校や特別支援学級の充実だけでなく、高等学校での受け入れ体制の整備が急務であると考えます。

高等学校では、平成30年度から通級による指導が制度化されると聞いていますが、制度開始まで1年を切っている現在、県教育委員会はどのような準備を行い、どういった課題があるとお考えなのか、教育長にお尋ねいたします。

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さて、医療的ケア児への対応については、皆さんご存知のように全国的にも話題になっております。

平成27年年5月、鳥取県では、学校に通う70人あまりの児童生徒のうち、半数近くが、たんの吸引などの医療的なケアを必要としていて、鳥取県教育委員会は看護師6人を配置していたのですが、看護師6人全員が一斉に辞職を申し出て、看護師が不在となり、ケアを必要とする児童・生徒の一部が通学できない事態が起こりました。  看護師たちが辞職を申し出た理由は、「保護者から繰り返し威圧的な言動があった」などと訴え、保護者の要望を組織として受け止める態勢が十分でなかったからとのことです。

医療的ケア児への対応は、子どもの命に関わることですので、看護師の確保以外にも、緊急時の救急体制の整備や教職員の理解も必要で、時間はどうしてもかかると思われます。

本県においては、通常の看護師の勤務形態では、シフトによって夜勤があるのに対し、学校での勤務は、勤務時間も日中で、夜勤もなく、子育てしながら働けることを広く周知することで、潜在的看護師を掘り起こし、適宜毎年の増加に対応していると伺っています。

また、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒が安心して学校生活を送るためには、学校における介助や安全確保、学習の支援を行う「特別支援教育支援員」の配置が必要です。

そこで、3つ目として、特に、県立高等学校における特別支援教育支援員の配置についてお尋ねします。

現在、福岡県の小中学校においては、1校あたり約1.8人が配置されていますが、県立高等学校では全体で5人の配置にとどまっています。

そして、平成28年度における高等学校への特別支援教育支援員にかかる地方交付税は、福岡県の場合、生徒70,854人に対して、国から1,100万円の予算措置がなされています。

県立高等学校の本県における特別支援教育支援員の現状をどう認識し、今後どのように取り組まれるおつもりなのか、教育長にお尋ねいたします。

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特別支援学校はもとより、幼稚園、小中学校から高等学校まであらゆる学校種において系統性ある支援を特別支援教育の中で実施することが肝要であると考えます。

本県の教育委員会の組織としても、現在の義務教育課内に特別支援教育室、高校教育課に特別支援教育担当指導主事を置いていらっしゃいますが、一貫した継続性のある指導と支援を子どもたちに行い、

予算獲得や多様化したニーズに対応できる特別支援教育を推進するためにも、多くの自治体にあるような「特別支援教育課」が新設されることが望ましいのではないかと個人的には思っています。

そこで、最後に、本県における特別支援教育の推進体制について

教育長にお尋ねします。

特別支援教育の業務が、本県でも、今後、質、量ともに増加することが見込まれることを鑑み、特別支援教育に関する総合調整機能を果たすような充実した体制を作るべきと考えますが、教育長のご所見をお教えください。

自民党県議団 岳康宏議員 一般質問 答弁骨子

問 特別支援学校等に在籍する児童生徒数の増加要因とその対応について(教育長答弁)

○近年の障害者基本法や学校教育法の改正等により、特別支援教育の理念が普及したため、比較的障がいの程度が軽い子供とその保護者が、将来の自立と社会参加を見据え、こうした専門的な教育を志向するようになった結果であると考えている。

○県教育委員会としては、希望する児童生徒の確実な受入れのため、特別支援学校の3校新設を含めた今後の整備方針を策定するとともに、医療や福祉等に関する外部機関との連携や、専門研修等を通して教員の資質向上を図るなど、専門性の高い教育を行うための環境整備に取り組んでいる。

問 通級による指導の制度開始に向けた準備と課題について(教育長答弁)

○本県では、今年度から「高等学校等通級指導推進事業」を新たに実施し、県立ひびき高校及び博多青松高校を拠点に、学習上又は生活上の困難を改善・克服するための適切な指導及び支援を行うこととしている。

○来年の制度開始に向けては、現時点で、ニーズの適切な把握、指導教員の育成、指導内容や教育課程の確立といった課題があると考えている。

○現在、通級による指導の希望調査を行うとともに、実施体制の整備、教職員の研修等を進めており、来年度からの本格実施に備えて、本事業を着実に推進してまいる。

問 県立高校における特別支援教育支援員の配置の現状と今後の取組について(教育長答弁)

○平成29年度は、「高等学校等通級指導推進事業」による4名の配置拡充分を含め、要望のあった16校のうち、介助型を5校に5名、学習支援型を2校に4名、合計7校9名の支援員を配置し、学校の支援体制を整備することとしている。

○さらに、個別の支援を要する生徒への対応を充実するため、8校に特別支援教育ボランティアを配置することとしている。

○しかしながら、各学校からの支援員配置の要望は拡大する傾向にあり、生徒一人一人に対応したきめ細かな指導や支援が行えるよう、支援員の必要な配置について検討して参る。

問 特別支援教育の推進体制について(教育長答弁)

○近年、特別支援教育に関する法令の整備や、これに伴うニーズの増大に鑑み、特別支援教育の充実が教育行政上の重要な課題となっている。

○これを踏まえ、本年3月に策定された「福岡県行政改革大綱」においては、特別支援教育の充実などの教育課題に的確に対応できるよう「本庁組織の機能強化」に取り組むことが、具体的改革事項としてあげられている。

○県教育委員会においては、こうした状況を踏まえて、本庁組織の見直しについて検討を進めていくこととしている。