平成28年11月2日(水)は、西南学院大学で、『マスメディア実践論 特別講義』を拝聴いたしました。
山崎拓先生が西南学院大学生や九州大学生たちに、55年体制から現在の安倍政権に到る日本政治の流れを分かりやすく説明なさいました。
聴講生も、毎日新聞や熊本日日新聞などすでにマスコミに就職が決まっている学生もいて、皆さん熱心に講義を聞きながら、最後は積極的に鋭い質問をたくさんなさっていました。
また、講義終了後は、山崎拓先生の最新の著作である『YKK秘録』に山崎拓先生のサインを求めてありました。質問内容からも、よく読み込んでいるなぁと感心しました。
その様子を拝見していると、若者の政治的無関心ということは全く感じませんでした。
山崎拓先生のお話も、1955年体制下では、政治の流動性がないので、『三角大福中』という自民党内に五大政党的な派閥ができ、自民党内で政権交代が行われていた。それは選挙システムが中選挙区制だったからで、中選挙区制度時代、福岡県は3つの選挙区だった。
政治は権力闘争、その最大の権力者は総理大臣。総理大臣の権力の源泉は、まず大臣などを任命する人事権、予算編成権、三権分立は知っていると思うが、解散権を持っている。
解散権というのは、衆議院議員が内閣総理大臣になれるわけだが、自らの首も含め、衆議院議員全員の首を切るという権力を持っている。
天皇陛下は、憲法を読めば書いてあるように、最高の“権威”ではあるが、最低の“権力”である。
“権力”を身に付けたいという野心を持っているのが、衆議院議員である。
などなど、独特で学生が理解しやすいようにお話になりました。
他にも興味深いお話がたくさんありましたが、省略します。
政治は、人のつながり、駆け引きが大事であり、外交では、首脳外交が9割であり、首脳同士の『ウマが合う』、『ケミストリー(化学反応)』が起きるかで、問題解決が一気に進むことが多い。
山崎拓先生がよく洗練された野性味とおっしゃるが、そのような野性味を身に付けないと人間力がアップせず、政治家には特に大切な要素なのだと感じました。
アメリカのレーガン大統領が日本の国会議事堂で演説なさった時に、松尾芭蕉の『草いろいろ おのおの花の手柄かな』という句を引用して、日本には昔から民主主義があったとお話になったが、山崎拓先生のように、友人を大切にし、友人とのケミストリーをお互い切磋琢磨することで素晴らしい成果、責任世代の役割を果たしていきたいと思いました。
平成28年11月3日は、文化の日でありますが、日本国憲法の公布から70年を迎えました。
もちろん時代合わせて憲法を改正していき、自主憲法を制定すべきと思いますが、平和主義については、自衛隊の存在をはっきり認め、専守防衛に徹する、唯一の被爆国として核武装は目指さないでいいのではないかと思っています。
今一度、山崎拓先生の他の著作も読み返してみようと思いました。