平成29年9月定例会で、大濠公園日本庭園と西公園について一般質問させていただきました。
詳細は以下の通りです。
是非よかったらご一読ください。
回答は短いですが、次年度にしっかり予算組みできるか注視していきたいと思います。
自民党県議団の岳康宏です。
通告に従って、大濠公園日本庭園と西公園にについて一般質問させていただきます。
大濠公園は、昭和4年3月に開園し、2019年には開園90周年となります。
園内の日本庭園の横にある福岡市美術館は、2016年9月から2019年3月まで閉館し、リニューアルする計画になっています。
この日本庭園は、昭和2年にできた県営プール跡地に、大濠公園開園50周年を記念して昭和59年に作られたと伺っており、近年インバウンド観光客の増加により、国内のみならず、海外からの観光客の来訪者も多く見られます。
実際、私が240円の来館料金を払って見に行った時も、中国、韓国、欧米の観光客がお見えになっていて、結婚式の和装の衣装を着たカップルが撮影を行っていました。
庭師のお話では、毎日手入れをなさっているそうで、それは見事な庭園で、指定管理者としてお勤めの女性からもたくさんのお話を伺うことが出来ました。
そこで、まず、大濠公園日本庭園への来訪者数、並びに、その中で外国人観光客の数が近年どれほど伸びているか、お応えください。
日本政府は、『観光先進国』への新たな国づくりに向けて、平成28年3月30日、『明日の日本を支える観光ビジョン構想会議』(議長:内閣総理大臣)において、新たな観光ビジョンを策定しました。
『世界が訪れたくなる日本』を目指し、観光は「真に我が国の成長戦略と地方創生の大きな柱である。」との認識のもと、「観光先進国」の実現に向け、政府一丸、官民挙げて常に先手を打って攻めていくとしています。
その「明日の日本を支える観光ビジョン」の中で、「魅力ある公的施設」を広く国民、そして世界に開放し、「文化財」を「保存優先」から観光客目線での「理解促進」そして「活用」へと導いていくことを提言しています。
2019年はラグビーワールドカップが行われ、大会開催期間も長く、多くの欧米を中心とした訪日観光客が見込まれます。
2020年東京オリンピック・パラリンピックを通じて行われる文化プログラム(beyond2020プログラム)、ホストタウンでの相互交流などを契機として、福岡県の歴史、文化、芸術、食文化などの魅力を大いに海外に向けて強力に発信し、訪日プロモーションの高度化を図っていかなければなりません。
先日、9月14日のアメリカのウォールストリートジャーナルの記事で、「初心者のための日本、最も気軽な都市」と題して、福岡推しの記事を掲載し、ラーメン、屋台、太宰府の光明禅寺、筥崎宮に、舞鶴公園など福岡県の魅力を紹介していました。
このように、福岡県の観光の魅力が積極的に海外紙面に取り上げられることが今後も増えていくことを望みます。
大宰府の光明禅寺
また、島根県に、足立美術館という横山大観の作品などを多く所蔵する美術館があります。
横山大観作「無我」
この足立美術館の日本庭園は、アメリカの日本庭園専門誌『Sukiya Living Magazine/The Journal of Japanese Gardening(ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング)』で、2017年まで15年連続で日本一に選ばれた最も美しい庭園であり、ミシュラン・グリーン・ガイドでは、三つ星を獲得、他に三つ星を獲得しているのが、富士山、明治神宮、日光東照宮、金閣寺ですから、観光地としては素晴らしいステイタスを得ています。
年間50万人が訪れ、「庭園も一幅の絵画である」という信念のもと、広大な庭園の細部にまで維持管理が行き届いている点が高く評価されています。
「庭園も一幅の絵画である」も納得の景色
入り口で音声ガイド(日本語・英語・北京語)を借りると、それぞれの庭園に合わせて見どころを解説してくれます。(因みに、レンタル料金は、日本語・英語500円 、中国語 300円です。)
音声ガイド
私がここで強調したいのは、大濠公園日本庭園を設計なさった人物とこの足立美術館の日本庭園を作庭なさった人物は同一で、中根金作さんという方であるということです。
他には、大濠公園日本庭園の冠木門(かぶきもん)とそっくりなボストン美術館の天心園日本庭園など、中根金作氏による日本庭園は素晴らしい世界観があり、このことも、もっと福岡県としてアピールしていくべきであると感じます。
このように、日本文化への理解を深めていただく場所として、大濠公園日本庭園は、大きなポテンシャルを有しており、有効に活用すべきで、素晴らしい財産であるのに、活かしきれていないのではないか。
指定管理者に丸投げではなく、指定管理者の自主性は重んじてもよいと思いますが、例えば、定期的なお茶の野点によるイベントの開催、大濠公園日本庭園の夜間ライトアップ、指定管理者が作成しているホームページを写真中心に構成し、今はやりの、インスタ映え、SNS映えする写真を多く取り入れ、外国人向けに多言語対応した発信力のある独自のポータルサイトにするなどの戦略的マネジメント、積極的なインターネット広報などの取り組みを執行部側も管理者と一緒になって考えるなど色々アイデアはあると思います。
現在の大濠公園・西公園のホームページは、英語・中国語・韓国語の部分をクリックすると、PDFでパンフレットが出てくるだけで、現在、どんな催しが行われているかなどの、観光客が最も知りたい情報が掲載されていない。
福岡市政だよりでは、友泉亭などの催しの情報がよく掲載されているが、県民だよりには、大濠公園日本庭園の催し物情報が載っていないなどのご意見もあります。
そこで、質問いたします。
この大濠公園日本庭園をどのように認識し、そして、その活用について今後どのように取り組むおつもりか、知事職務代理者のご見解をお聞かせください。
我々の先達は、事業を進めて行くにあたり、節目、節目で、その目標年次を定め、スケジュールを組み、着実に事業を完遂なさってきたように思います。
我々も今を任された責任世代として、後世に恥ずかしくない形で、バトンを次世代に渡す責務があります。
ハード面としての施設整備はもちろん、その後の施設に、”ドラマ”や”ストーリー性”のある企画を付与しながら、ソフト面での「レガシー」を創り上げていかねばならないと考えます。
ソフト面での「レガシー」とは、日本の文化を世界へ発信することができたという達成感や誰もが訪れたくなるような快適で、親水性豊かな自然環境が整った都市空間を創造していくことなどです。
福岡市美術館との連携や芦屋釜の里など福岡県内の施設や星野産八女茶などの産物とのコラボ、さらに、将来的には海外の日本庭園との友好提携など、日本文化を味わえる公園として、多くの外国人観光客も訪れる、夢のある「レガシー」へと発展していくきっかけとして、大濠公園の充実を図っていただきたいと思います。
次に、その大濠公園にも近く、同じ管理事務所の所管となっています西公園についてもお尋ねします。
平成27年6月議会の一般質問において、知事より、『西公園は、眼下に博多湾、遠くに玄界灘を眺望でき、平成2年に「日本さくら名所100選」に県内で唯一選ばれた自然豊かな公園。一方で、整備されてから相当の期間が経過しており、今後、樹木の専門家による調査をし、計画的に桜の再生を行う予定。さらに、展望台からの眺望の確保や施設の更新、改修により、西公園の特徴である桜と眺望を活かした広報にも取り組んでいく。』とのご答弁をいただきました。
地元からは、桜の再生については、地元との協議に入り、その再生に向けて取り組んでいると伺っていますが、地元の声として、有名になってほしいが、あまり騒がしくなってほしくないという二律背反する意見が出ているとも聞いています。
一方で、かなり改善してきているが、樹木の伸びが早く、生い茂って昼間でも暗く、特に、夜間は照明も行き渡らず、女性一人が歩くにはかなり不安な状況です。
園内にあるお店は、午後10時まで営業しており、女子学生が部活から帰る時間が遅れると、ホームレスの人がいてこわい、
上級のランニング愛好家が西公園のトレイルコースを夜間試したいが、一人では男でも暗すぎて危険といった声を聞きます。
このような現状、意見を踏まえ、大濠公園のように夜間でもランニングやウォーキングを楽しみ、園内にある飲食店を安全に利用できるような施設に改善していくべきと考えます。
そこで、最後に質問いたします。
公園利用者が安心して利用できるように、西公園の施設を安心・安全に関するニーズに合わせた改善を行っていくべきと考えますが、知事職務代理者のご見解をお尋ねします。
問 大濠公園日本庭園の来訪者について
〇昨年度は約4万9千人の方々に訪れていただき、このうち外国人来訪者は約1万7千人で、10年前の約8百人から約20倍に伸びている。
問 大濠公園日本庭園の活用について
〇この日本庭園や茶室は、日本の四季折々の美しさを感じ、伝統・文化としての茶道に親しんでいただく施設として、また、ご指摘のアメリカの日本庭園専門誌においても上位にランキングされるなど、インバウンドの観光資源として、高い価値を有するものと考えている。
〇これまで、外国人向けに英語、中国語、韓国語のリーフレットを作成し、ホームページへ掲載しており、月に1回の抹茶の提供や紅葉のライトアップなど、各種イベントを開催している。
〇今後、日本庭園の魅力を生かしたイベントの拡充や外国人向けのホームページの充実に取り組み、観光資源としての魅力向上を図ってまいる。
問 西公園の安全確保について
〇県では、夜間にも安心して西公園を利用していただけるよう、園路、駐車場、広場などに一定間隔で照明灯を設置しているが、繁茂した樹木などにより十分な明るさが確保されていない場所も見受けられる。
〇昨年度から、眺望確保のために樹木の整理に取り組んでいるところであり、今後、照明灯周りの樹木の伐採、剪定も併せて進め、必要な明るさが確保されているか、調査を行う。