思いのたけブログ

ハワイのエネルギー問題に関する意見交換【日米議連によるハワイ州における視察調査報告2】

先般、ハワイ福岡県人会60周年記念式典、福岡県・ハワイ州姉妹提携35周年記念式典並びに福岡フェアに合わせて1月17日(火)から1月24日(火)までアメリカ・ハワイ州を訪問してきました。

その期間中、ハワイ州の関係機関との意見交換をまとめましたので、ここにご報告いたします。

2.エネルギー問題に関する意見交換

  1. 日 時:1月19日(木)10:30~
  2. 場 所:ハワイ州政府 産業経済開発観光局 エネルギーオフィス(州議事堂隣のオフィス4階)
  3. 対応者:ハワイ州政府 産業経済開発観光局 エネルギー部門(HSEO: Hawaii State Energy Office)
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■事業の概要

2015年のハワイ州の石油依存率は89%。米国で最も石油への依存度が高い。石油はすべて輸入しなければならず、ガソリン代・電気料金が米国で最も高い。そのため、ハワイ州における代替エネルギーの普及・開発は、環境保護という点からだけでなく、経済的にも大きな意味を持っており、HSEOの使命は大きい。

代替エネルギーに関するハワイ州の長期目標は、2045年までに代替エネルギーを100パーセントにするというものである。オワフ島以外の島は、五年から十年早くこの目標を達成できる予定である。
■意見交換の概要

Q ハワイの火力発電は輸入した石油を使っているとのことだが、再生エネルギーとどちらが高いのか?

A 火力発電の費用は、1キロワット当たり、ハワイで18セント、カリフォルニアで10セント。それに対し、カウアイ島でのソーラー発電では、9.5セント。ハワイでは他の州よりも再生エネルギーの可能性が高い。また、地域によっては、多少高くても、消費者が再生エネルギーを選ぶ傾向にある。

Q 見たところ、オワフ島では、ソーラーパネルがあまり設置されていないようだが、条例などで規制しているのか?

A 規制する条例はない。地域によっては税金控除制度がある。

Q 風力、バイオ、潮力、地熱などの再生エネルギーの開発は?また水素による蓄電についての検討は行われているのか?

A ハワイは自然に恵まれているので幸運である。水力も海水温もある。水素エネルギーのバスや車、フォークリフトも可能性がある。水素ステーションをどう整備していくかが課題。

Q メガソーラーは景観とのバランスが難しいと思うが、ハワイではどうか?

A たしかに景観とのバランスは難しい、州全体でバランスを考えなければならない。

Q ハワイ周辺の海域でシェールガスの油田が発見されたと聞いているが?

A 海はハワイの人びとにとっては特別な場所で、海の採掘は難しいと思う。キング草という成長の早い草から化学的にエネルギーを取り出す研究も進んでいる。

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【感想】

ハワイは、宗教上や伝統文化の観点から、火山や海に対する信仰もあって、あまり掘削など人間の手を入れることが規制され、地域住民の方々が嫌がるということを聞いたことがある。

そんな中、積極的に自然エネルギーの普及・研究に取り組み、環境を意識した取り組みを行っているところはハワイ州らしくて素晴らしいと感じた。

ハワイ州立自然エネルギー研究所(ハワイしゅうりつ しぜんエネルギーけんきゅうじょ、Natural Energy Laboratory of Hawaii Authority、英文略称:NELHA)はアメリカ合衆国ハワイ州のハワイ島にある州立研究所で、1974年に設立され、海洋深層水をエネルギーに利用する研究(海洋温度差発電)、および他の目的に利用する研究と教育を行なっている。

主要施設はコナ国際空港があるケアポイントにあり、構内には海洋深層水を私企業が利用して、飲み水をボトリングする工場、アワビなどの海産物を養殖する工場などもある。

次回は、是非このハワイ州立自然エネルギー研究所とアワビの養殖場を訪ねたいと思っている。

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