思いのたけブログ

平成28年度12月議会で一般質問させていただきました。

平成28年度12月議会で一般質問させていただきました。

一つは、知事に対して、「福岡県の在宅訪問歯科診療について」、もう一つは、教育長に対して、「平昌・北京冬季オリンピックに向けての福岡県の取り組みについて」質問いたしました。

地域医療構想が発表され、より一層「地域」との関わりが求められる医療現場の声の中で、地域包括ケアシステムにどう取り組むのか、先生方の真剣で真摯なお話しをよく伺います。

今回は在宅訪問歯科診療への支援体制の構築について福岡県の考えを伺いました。

また、約1年後に控えた韓国平昌オリンピックに向けて、本県の優秀な選手たちへの支援について福岡県のお考えをお示しいただきました。

以下は、一般質問の内容を記します。

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自由民主党県議団の岳康宏です。

通告に従って、一般質問させていただきます。

まず初めに、福岡県の訪問歯科診療についてお尋ねします。

本年4月現在、福岡県の高齢化率は25.7%ですが、今後も高齢者は増加を続け、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、30%を超えると推計されています。

このような中にあって、一人一人の主体的な健康の保持増進の取り組みやそれに資する社会環境の整備が急務であります。

人間が健康の保持増進を図っていくには、適度な運動はもちろんですが、規則正しい生活の涵養とバランスの取れた食事をとることも重要です。

高齢化が進む中で生涯にわたり、「食べる」「話す」といった生活の基本となる機能を維持し、自分らしい健康で生き生きとした生活を送る上で「口腔ケア」すなわち「口の中の健康づくり」の重要性が改めて注目されています。食事が美味しいと感じることができることは高齢者にとって特に重要であり、口の中の健康が全身の健康にも関わっていることは、様々な調査・研究で明らかにされています。

口腔ケアや口腔機能の回復が体全体の心身の状態が低下することへの予防・改善につながり、糖尿病や誤嚥性肺炎などにも大きく貢献することが分かっています。また、「食べる」ことを楽しむための「飲みこみ力」つまり、嚥下トレーニングも健康寿命を伸ばす効果があります。

それにも関わらず、厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、80歳から84歳の「進行した歯周病を有する者」の割合は、平成11年度の28.1%が平成23年度には42.6%と大きく悪化しております。

今後、地域医療構想により回復期・慢性期における病床数は減少し、在宅で医療を受ける高齢者が増加するわけで、このような在宅患者の健康支援、つまり、地域における在宅歯科診療の役割はより一層極めて重要になってくると考えます。

たとえ医療介護が必要となっても、住み慣れた地域で自分らしい健康で生き生きとした生活を人生の最期を迎える時まで続けることができるように、2025年をめどに、「医療」「介護」「予防」「生活支援」「住まい」の各サービスが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を構築することが求められています。

医療に関しては、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築に向けた取り組みが行われており、「治す医療」から「治し支える医療」へと、医療ニーズのある高齢者の在宅生活を支える「在宅医療」の役割は益々重要になるものと考えます。

その一方で、本県では、歯科医を養成する施設として、九州歯科大学、福岡歯科大学、九州大学の3つの大学があり、歯科診療所も福岡県において3194か所となっており他県に比べると充実しています。

しかしながら、訪問歯科診療を行う「在宅療養支援歯科診療所」は、本年7月1日現在で410か所と割合的には全国と比べて多いようですが、全体のほぼ1割に留まっています。

より多くの歯科医師が訪問歯科診療に参画するように、訪問歯科診療の一層の普及、環境整備が喫緊の課題と言えます。

そこで、知事にお尋ねします。

訪問歯科診療の充実を図るため今日までの取組みについて具体的に説明願うとともに、更なる普及に向けて県行政の中で一層の取組みが求められるところですが、県の抱負をお聞かせ願います。

福岡県は歯科医師が多いという強み・特性を活かし、多くの歯科医師が訪問診療を行うことをいとわず、皆がいつでも訪問歯科診療を行える体制づくりを福岡県として積極的に支援していくことが肝要であると存じます。地域の歯科医師会とも緊密に連携しながら、取り組みを進めるべきと考えますが、知事の前向きなご答弁を期待いたします。

次に、2018年平昌、2022年北京で開かれます冬季オリンピックに向けた本県の取り組みについてお尋ねいたします。

先日、福岡県卓球協会所属で、中間市にある希望が丘高校の早田ひな選手が南アフリカのケープタウンでの世界ジュニア卓球選手権の日本代表メンバーの一員として団体男女アベック優勝を果たし、女子及び混合ダブルスでも準優勝に輝きました。

また、一昨日の12月11日には、卓球のワールドツァー上位選手で争うグランドファイナル最終日、ドーハでの女子ダブルスで、初優勝を果たし、21歳以下においても個人初優勝に輝いています。目覚ましい勢いで、2020年東京オリンピックの最有力候補に浮上して参りました。

これは先日の九州の自立を考える会の広域行政セミナーでも紹介されたように物心両面からの支援に加え、教育現場との密接な連携が実証された成果だと感じます。未来に向けてより多くの福岡県出身のトップアスリートが輩出されることは、県民の心を躍らせ、幸せにつながることであると思います。しかしながら、今話題にのぼっているスポーツの祭典は、夏季の競技種目が中心のように感じます。

皆さまご存知のように、いよいよ約一年後となる2018年2月9日から韓国の平昌、2022年には中国の北京でと、2大会連続してアジアで冬季オリンピックが開催されます。

先日は羽生結弦選手のフィギアスケート史上初の4連覇が達成され、平昌オリンピックに向けて弾みがついた快挙でした。

日本の中でもアジアに最も近い地理的優位性のある福岡県にとっても喜ばしいことであり、本県でも今後徐々に冬季オリンピックへの関心が高まっていくもの、また、高めていくべきものと考えます。

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福岡県は、通年リンクとして、博多区千代にありますパピオアイスアリーナ、飯塚アイスパレス、スポガ久留米、季節限定リンクとしては、アクシオン福岡に併設している県立総合プールスケートリンク、北九州アイススケートリンクなど、複数のスケートリンクが県域にバランスの取れた位置に存在します。このような環境から県内では、冬季競技の中でもスケートリンクを使用する、いわゆる氷上競技への関心が高まることが予想されますし、氷上競技に対する競技力向上を含めた振興策がどのように行われているのか気になるところです。

本県で行われている福岡県タレント発掘事業によって見い出され、スケート競技のひとつであるショートトラックスピードスケートへ競技を転向して活躍している修了生もおり、本県のタレント発掘事業は大いに評価できます。

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 他県の方々から福岡県出身者はスケート競技のイメージとはほど遠いという声も聞かれますが、今年1月に開催された岩手国体スケート競技で、福岡県は総合成績で、天皇杯5位、皇后杯4位と健闘し、冬季オリンピックに向けた強化選手として指定された選手が、ワールドカップなどで活躍されています。

そのような方々が将来冬季オリンピックに出場し、活躍していただくことは、県民の夢や希望となります。特に、子どもたちにとって、身近な福岡県出身の選手がオリンピックで活躍することで、そのスポーツをやってみようというきっかけとなり、今いる中高生のスケート競技選手のモチベーションが上がり、やる気にもつながると確信します。

そこで、教育長にお伺いします。

まず、本県のスケートリンクを使用する氷上競技振興の取り組みの現状についてお聞かせください。

次に、今回のわが会派の代表質問でも県外流出を防ぐ対策について触れましたように、本県ゆかりのアスリートがさらに飛躍し、今後一層の氷上競技振興が図られ、本県内の高校・大学などで、のびのびと練習できるような環境を整備することも含め、本県としてどのような支援を行っていくのか教育長のお考えをお示しください。

問 訪問歯科診療の充実のための取組みについて【知事答弁】

自宅や介護施設で療養する方々が訪問歯科診療を受けることができるよう、6か所の郡市区歯科医師会では、「在宅歯科医療連携室」を設置している。連携室では、認知症のため自分で口腔ケアができないといった相談に歯科衛生士が対応し、訪問歯科診療につなげている。

また、訪問歯科診療の充実を図るため、全ての郡市区歯科医師会が、会員が共同で利用することができる訪問歯科用医療機器を配備している。

さらに、県歯科医師会では、介護支援専門員を対象とする口腔ケアを考慮したケアプランの研修会、歯科医師をはじめ多職種が参加する事例検討会を開催している。

県は、これらの取り組みに対し、財政的な支援を行っている。

平成25年3月に制定した「福岡県歯科口腔保健の推進に関する条例」では、高齢者の歯科口腔保健を基本的施策の一つに位置づけており、今後も引き続き、歯科医師会など関係団体と連携して、拠点の整備など、訪問歯科診療の一層の充実に取り組んでまいる。

問 本県のスケートリンクを使用する氷上競技振興の取り組みの現状について【教育長答弁】

普及活動については、競技団体が県内各地で行っている独自のタレント発掘事業や体験教室により、競技人口の拡大に取り組んでいる。

強化活動については、県立総合プールのスケートリンクを強化拠点のひとつとして、競技団体と県教育委員会や県体育協会等関係機関が連携し、練習会、体力測定会、競技会などを実施している。

その結果、近年の国民体育大会においてショートトラック競技やフィギュア競技で優勝を収めるとともに、国際大会でも活躍するなど、優秀なアスリートが育成されている。

問 本県のスケートリンクを使用する氷上競技振興のための本県の支援策について

現在、本県の強化指定選手及び指導者に対し、トップコーチの招聘や遠征合宿に係る費用の補助を行うとともに、施設の利用時間の延長などにより、練習の場の確保等の支援を行っているところである。

今後も、優れた指導者の養成や効果的な強化プログラムの構築、競技団体の要望を踏まえた練習環境の整備に努め、世界で活躍するトップアスリートの育成を目指し、氷上競技の振興に努めてまいる。