思いのたけブログ

本県の学力向上の取組みについて

平成28年10月31日(月)は、平成28年度決算特別委員会において、教育庁に対し、『本県の学力向上の取組みについて』質問させていただきました。

詳細は以下の通りです。

自民党県議団の岳康宏でございます。

本日は、本県の学力向上の取組みについて、質問いたします。質問に入ります前に、執行部に予め資料要求いたしておりますので、委員長、よろしくお取り計らいの程お願いいたします。

(※委員資料要求)

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平成28年度全国学力・学習状況調査結果の福岡県と秋田県の比較について

問1 本年度の全国学力・学習状況調査の結果について伺います。学力について、秋田県は本県と比べてどのような特徴がありますか?(義務教育課)

答1 秋田県は、小・中学校ともに全教科区分で全国の平均正答率を上回るとともに、正答数の多い学力上位層が多く、特に算数B、数学Bにおいてその傾向が顕著である。

問2 児童生徒や学校に対する質問紙調査の結果についてはどうですか?(義務教育課)

答2 秋田県は福岡県と比べて、家庭学習時間が1時間未満と回答した児童生徒の割合が、小学校は11.5ポイント、中学校は20.0ポイント低い。また、主体的に学習に取り組んでいると回答した児童生徒の割合が、小学校は14.2ポイント、中学校は15.6ポイント高い。また、授業研究を伴う校内研修を15回以上実施したと回答した学校の割合は、秋田県の方が、小学校は24.9ポイント、中学校は10.3ポイント低いものの、問題解決的な学習の研究をよくしていると回答した割合は、小学校は9.4ポイント、中学校は4.4ポイント高い。

問3 このように秋田県の特徴を踏まえ、本県の児童生徒の学力を向上させるためには、どのような取組が必要と考えますか?(義務教育課)

答3 児童生徒については、家庭での学習習慣や主体的な学習への取組姿勢の改善、学校については、主体的・対話的で深い学び、いわゆるアクティブ・ラーニングの実施のための教員研修の充実に取り組む必要がある。

秋田県は、“秋田式勉強法”という本が出るほど注目されています。学校内では、教師以外に“支援員”を配置し、教頭先生も一緒になって児童生徒を見守り、教師の質の高い生徒への指導を感じます。又、例えば、“人の関節”の授業では、丸めた画用紙を関節にあてがわせ、ボールを投げたり、しこを踏んでふんばったりする動作・姿勢をさせ、関節の必要性を認識させるなど、生徒に自ら考えさせ、生徒に授業を総括させ、自主性を重んじていました。

問4 アクティブ・ラーニングの指導力を高めるために、県教育委員会として、現在どのような研修を実施していますか?(義務教育課)

答4 今年度から、アクティブ・ラーニングに関する公開授業や授業検討会等を通し、実践的指導力の向上を目指す講座を開講している。教職経験3年までの若手教員
及び理科の中核教員等に対しては、国語、算数、数学、理科について、福岡教育大学の附属学校で全県的に実施するとともに、経験4年以上の教員等に対しては、国語、算数、数学について、各教育事務所で地区の実情を踏まえて実施している。

問5 本県の学校における校内研修の状況を踏まえ、より効果的な校内研修とするために、各学校をどのようにしどうしていきますか?(義務教育課)

答5 授業研究を伴う校内研修をより効果的なものとするには、各学校で設定される児童生徒に身に付けさせたい学力の目標に対応し、それを達成するための中心的
取組として実施することが必要と考える。各教育事務所での指導主事の校内研修への派遣や管理職、学力向上コーディネーター等の研修会の実施に当たっては、各学校の児童生徒や教員の実態に応じた校内研修の在り方をきめ細かに指導助言していく。

(教師の質の向上の観点からも質問いたします)
問6 本県でも、大量退職・大量採用時代になり、特に経験の少ない若手教員の指導力を、意図的・計画的に高めていく必要があると考えるが、どのような取組をおこなっていきますか?(義務教育課)

答6 今年度から各教育事務所に授業づくり支援チームを設置し、若手教員の授業を観察して直接指導を行っている。また、学力向上推進強化市町村において指導力の高い退職教員が若手教員との共同授業や事後指導を行う取組を導入している。
さらに今後、学校内外の若手教員間の交流を強化し、指導力向上の自己研鑽と意欲高揚を図る機会の充実方策を検討したい。
東京都のある自治体は、わざわざ“秋田式勉強法”を体験させるため、研修に行かせ、若手教員に刺激を与え、指導力向上につなげる事業も行っているようです。本県も
是非引き続き、教職員の指導力向上とモチベーションアップにつなげて下さい。

私は平成27年10月15日、総務企画地域振興委員会管外視察において、“金沢海みらい図書館”を視察させていただきました。金沢市の新しいランドマークとして、平成23年に開館、福岡市出身の工藤和美さんの会社の設計で、地域のコミュニティづくり等の取り組みを行っているとのことでした。グッドデザイン賞にも輝き、国内だけでなく、海外からの視察も絶えないとのことでした。金沢市は、自転車4キロ圏ごとにまんべんなく図書館を配置して、金沢海みらい図書館は、白で統一された程よい採光で、“本を読む空気”をデザインした素敵な図書館でした。

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本県では、“朝10分間の読書運動”を行っていると聞いています。“運動”とは、シンプル・リピートを常とする、つまり、“Simple is Best” “継続は力なり”を念頭に行わなければなりません。“10分間”読書をすることで、①静かな時間で心が落ち着き、②静けさに耐える忍耐力を育み、非行が少なくなり、学級崩壊もなくなるという効果が生まれる、生まれていると思います。
私は、本県の読書運動は素晴らしい活動であると思いますし、引き続き、“うち読”も含め、家庭・学校における読書活動の推進・子どもの読書活動充実事業に対して、今回の決算額以上の予算が今後つくことを望みます。

問7 さて、今まで“学校内”での学習について質問してきました。次に学力向上のためには、家庭での学習も重要と考えます。本県では、家庭での学習時間が少ない子どもの割合が多いことを踏まえると、子どもの学習習慣の確立に向けて、放課後においても補充学習等の場を提供するなど、自然と予習・復習を家庭で行いたくなる環境を整えることが重要と考えますが、どのような対策を行っていますか?(社会教育課)

答7 本県の子どもの学力向上の基盤を形成し、健全な成長を目指すためには、家庭での学習習慣の定着を図ることが必要である。そのため、「放課後学習活動支援事業」において、地域の人材を活用し、学習意欲の喚起や家庭学習の習慣化に取り組んでいる。

問8 「放課後学習活動支援事業」における具体的な取組みについて教えて下さい。(社会教育課)

答8 退職校長や教員等からなる「学習支援リーダー」を市町村に配置する。配置された「学習支援リーダー」は活動の企画立案や、子どもを指導する学習支援スタッフの募集・派遣、連絡調整等を行う。学習支援スタッフは学校や公民館等において、子どもに補充学習のほか、各種検定等に挑戦する教育プログラムを実施する。

問9 今後、学校・家庭・地域が連携した取組みを一層充実させていくべきと考えるが如何でしょうか?(社会教育課)

答9 これまで放課後の補充学習など、学校・家庭・地域が連携して学校を支援する体制づくりに取り組んできた。今後は、この仕組みをさらに発展させ、より幅広い連携や活動を行う枠組みとして国が提唱する「地域学校協働本部」への移行を推進し、学校・家庭・地域の一層の連携強化を図るとともに、家庭における学習の重要性について、啓発に努めてまいる。

秋田県では、農作業を終えたおばあちゃんが共働きのご夫婦の帰宅前、孫の顔見たさもあって、おやつを買って、子どもたちの予習・復習の様子を見に来て、最後は宿題を見る家庭教師の役目も担ってありました。秋田県では、多世代同居率が高いということも児童生徒の学力向上につながっていると感じます。学内においては、アクティブ・ラーニングで、生徒の自主性を高め、教師の質の向上を図り、家庭では、その流れで、自然と予習・復習をしたくなる環境を作り出せるよう努めていただきたいと存じます。家庭教育振興を図るための家庭教育充実事業、学校・家庭・地域の連携強化の推進のための事業にもっと決算額に示された額よりもっと重要な予算をつけていただきたい。予算編正に向けて重きを置いていただきたいと存じます。

問10 そこで、今後の学力向上のための取組の推進について、教育長の決意をお聞かせ下さい。

答10 全国学力・学習状況調査が開始されて10年となります。本調査を通して、本県の児童生徒の学力や学習状況や、学校の組織力、教員の資質・能力の実態等が明らかになり、学力向上に向けて全県的な機運が高まってきたものと考えております。一方で、学力向上のための様々な施策を展開しているにもかかわらず、目標達成に至っていない状況が続いています。秋田県では、県、市町村、学校、そして家庭と
地域が一体となり、「子どもを育てる」ことについての認識を共有しながら、一枚岩となって子どもたちを育てていると聞いております。本県においても、県教育委員会と
してのリーダーシップを発揮しながら、児童生徒の学力向上の取組を強化していく所存であります。

本年9月29日に発表された今年度の全国学力調査の結果で、学力テスト上位の都道府県の中に、秋田県や石川県のように是非とも福岡県がたくさん出てくるようにしていただきたい。自民党員である私としては、2番じゃダメなんです。福岡県が20番台、30番台だとやっぱり悔しい。本県知事は、幸福度日本一を掲げております。子どもたちはじめ、福岡県民が笑顔になれるよう今後の本県の学力向上の推進に取り組んでいただき“日本一”を目指して引き続きご努力いただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。